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 IT活用の本質とは   3/4

ITは儲けるための道具?


 ITの定義は「コンピュータ等による情報の活用を通じて企業の競争戦略を実現するための技術」と言っても、直感的にIT活用の効用をイメージすることは難しいようです。

 そこで、「ITは儲ける手段としての道具」などと言う人もありますが、私はちょっと短絡的な解釈ではないかと思っています。
 これが講じて、「ITを活用すれば儲かります。」なんて変な誤解を持つ人もいます。
 「儲けるための基盤」が無ければ、いくらITを活用しても儲かるはずがありません。

 では、「儲けるための基盤」とは、何でしょう?
 例えば「製品」や「サービス」、あるいは「技術力」などがそうです。ここでは、それらをまめて「商品」と言いましょう。
 しかし、それら商品が単に「存在する」だけでは儲けるための基盤とは言えません。他社の商品より劣っていたり、全く同等であっては、誰も、それを好んで選択しませんから。
 他より優れていることが必要なのです。これをコア・コンピタンス(Core Competence)といいます。 一般的には、「他社には真似のできない自社ならではの価値を創造する中核的能力」と説明されています。
(最近はコア・コンピタンスに関する書籍も多く出まわっていますので一度読まれるといいでしょう。)

 ここまで説明すると多くの方は
 「そんなものがあれば、苦労しませんよ。それだったら、ITなんかに頼らなくても誰でも簡単に儲けられますよ。」なんて嘆かれます。
 でも、2つの間違いがあります。

 その1は、コア・コンピタンスの源泉はどの企業にも存在しているのです。
 現在、その企業が存在しているのは、お客が、何らかの理由によってその企業を選択しているからです。そこにコア・コンピタンスの源泉があるのです。
 それは、他社にない「商品」を持っていることに他なりません。扱う商品(製品、サービス、技術力等)が素晴らしいのか、価格が安いのか、立地条件が良いのか、あるいは、経家者や営業マンの人柄がお客を呼ぶのかもしれません。
 それを認識できず、それを確固たるコア・コンピタンスとして育て上げようとしていないのです。

 もう一つの間違いは、コア・コンピタンスがあったら誰でも簡単の儲けられると言う事はないということです。
 コア・コンピタンスは他に広く認知されている必要があります。
 限られた顧客・地域、コア・コンピタンスの限られた活用を続けているだけでは、事業の発展や儲けの拡大は期待できません。

 ちょっと回り道しましたが、
 コア・コンピタンスを認識し、それを活かす工夫をするところに、「儲けるための基盤」があるのです。
 経営者とは、特別な意識はしなくても、常に、こうしたことを考え、実践して企業経営をしているはずなのです。
 「この商品は売れそうだ。よし、頑張って売るぞ!」と言った具合いです。
 これは「経営者の想い」です。
 でも、これだけでは、売れるということの裏付けや、売るための方法などの面で工夫が足りないような気がします。これまでは、経験・勘・根性のいわゆる3K経営が通用してましたが、これからの時代はそれでは乗りきれなくなっています。
 こうした工夫を「戦略」と言います。

 今日の情報化社会においては、「経営者の想い」を実現させるための「戦略」においてITを活用しましょうと言っているのです。

図)経営者の想い
経営者の想い
企業の存続・発展
競争戦略
ITの活用
想いの実現
(儲け)

 すなわち、「ITは経営者の想いの実現するための道具」のなのです。
 となれば「経営者の想い」無くてしてITを活用することに意味がないのです。
 「IT活用は、経営トップのリーダーシップがなければ成功しない。」といわれる所以でもあります。
 *経営者の想い:漠然とした表現ですが、ここでは、「経営方針」「経営目標」「ビジョン」や「ポリシー」などを言います。「経営者の想い」の伝わっていない企業は、まず、ここからのスタートとなります。

 多くの場合、結果として儲けに繋がることになるものとは思いますが、「ITは儲ける手段としての道具」という解釈が短絡的であると言った意味を理解していただけると思います。

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